Q65.【嫉妬】とは何か?

A.【嫉妬】は愛の対象の喪失への警戒

 嫉妬は、悲しみから予測による分岐をした感情です。
 新しく弟が生まれ、母親の愛がそちらに奪われると、兄が弟をいじめたりします。あるいは、恋人が他の異性と仲良くしていると嫉妬を感じます。嫉妬は、愛の対象が失われるのではないかという予測により発生するのです。
 そのため、もし仕事を愛していれば、自らの仕事を奪いかねない有能な人間にたいして嫉妬を感じることもあります。
 嫉妬すると、信頼関係安定のため試しの行動が行われます。たとえば、いい女を見て、でれでれしている夫を妻がつねるというようなものです。愛する対象へ軽い攻撃するのです。愛情の維持、確認のための感情です。愛の防衛行動といるでしょう。
 嫉妬は、悲しみから分岐した感情です。愛の対象の喪失の危機に、怒りの行動を結び付けたものです。そのため、怒りの大きな人は、嫉妬も大きい傾向があります。
 嫉妬に似たものはチンパンジーにも見られます。チンパンジーはまれに雄が雌を交尾のために連れ出すことがあり、そのとき、ついてこないと攻撃となだめを繰り返します。これが、憎しみや嫉妬の原型のようなものと考えられます。