Q62.【誇り】とは何か?

A.愛の行動の評価の感情

 誇りは、愛から評価による分岐をした感情です。誇りは既に述べたプライドとは異なります。プライドは、恥すなわち怒りの系統の感情でした。英語でも誇りはオーナー(honor)でありプライド(pride)ではありません。
 仕事の成功などが社会的に認められている、あるいは認められるべきと認識している、他人の称賛を受ける仕事をしている場合など、他人の役に立っているという実感が誇りです。すなわち、誇りとは、自らの行動が不特定多数の人々に愛をもたらすものであると感じることです。
 誇りは、行動の安定した実行をうながします。迷いを減らし、自信をもって行動し、考察よりも積極的に行動するのです。
 愛の行動にたいする評価の感情といえます。幸福は愛の状態の評価ですが、誇りは行動の評価です。また、幸福が家族レベルでの評価であることが多いのにたいして、誇りはそれより大きな集団におけるレベルの評価であることが多いのです。
 ある独裁国家で、民主運動家が捕まり死刑になるとします。そのとき、決して志を曲げず死を恐れる色もなく処刑された場合、誇り高き死に様であったといいます。これは、その行為がその国の人々に勇気を与える、愛の行為と考えるからなのです。