Q3.脳を解く重要ポイントは?

コンピュータとの違いこそ鍵

 脳がどのように記憶するかを考えてみましょう。
 記憶はとても大切なものです。もしも子供のころの思い出がなければ人生は寂しいものですし、学校の勉強では記憶する難しさをたっぷりと感じさせられます。どうすれば、よく記憶できるのか?これを理解するには、もちろん記憶とは何かを知る必要があります。
 記憶には不思議なところがあります。コンピュータではとてもありえそうにない特性があるのです。そこで、コンピュータのメモリではありえない、記憶の特性について考えてみましょう。
 思い出せそうなのに思い出せず、答えを教えてもらうと思い出すことができることがあります。このとき、三択にして答えを提示すれば、ほぼ確実に答えられます。三択の方が回答率のよいコンピュータというのはなさそうです。見れば思い出すコンピュータなどもなさそうです。
 覚えやすいことと覚えにくいことがあります。コンピュータならどれでも同じでしょう。
 忘れようとして忘れることができません。コンピュータは消去したらもう取り出せないし、消去できないということもありません。また、いつの間にか忘れてしまうということもありません。
 人間の記憶のシステムは、フロッピーディスクやメモとはまったく異なっているのです。そして、その違いの中にこそ記憶の正体があるのです。